イヤイヤ期


子どものイヤイヤ期


子どものイヤイヤ期

イヤイヤ期とは子どもに自我が芽生え、いろいろなことが自分で出来るようになり、自己主張が強まる1歳半から3歳頃までの時期に起こります。この時期の子どもは親の言うことに対しても「イヤ」と返事をするので、第一次反抗期、魔の2歳と呼ばれることもあります。

 

「子どものイヤイヤ期にはどう対応すればいいの?」「イヤイヤ期はいつまで続くの?」など不安や疑問を抱いているパパ・ママも多いのではないでしょうか。

 

今回はそんな子どものイヤイヤ期についてお話します。



イヤイヤ期の特徴・なぜ起こる?


イヤイヤ期の特徴・なぜ起こる?

イヤイヤ期の子どもは日常生活の中で「イヤ」「ダメ」「キライ」などの拒否をしたり、思い通りにならないと泣きわめいてしまいます。例えば、歯磨きを嫌がる、お風呂に入りたくない、ベビーカーに乗りたくない、ご飯を食べたくない、おもちゃ屋さんで買ってほしくて泣き叫ぶ…などです。

また、「自分でスプーンを持って食べると主張していたのに、結局食べさせてほしがる」など、やると言ったのにやらない事もあります。その他に、好き嫌いが激しくなったり、こだわりが強くなったり、できないことでもやろうとしたりします。イヤイヤ期の特徴は子どもによってさまざまなパターンがあります。

 

イヤイヤ期が起こる理由については、脳の「前頭前野」の発達がゆっくりなことが関係しているのではないかと言われています。「前頭前野」は脳の中でも特に成長が遅く、6歳くらいまでは成長がとても緩やかです。感情や行動を抑制する働きを持っているため、この場所が未発達だと湧き上がる欲求や衝動を上手に抑えることができません。そして、子どもも「一人の人間」だということに気付き始め、2歳になる頃には脳や体も成長し、ますます自己主張が強くなっていきます。一方で「自分はこうしたい」という気持ちもあり、まだ言葉で伝えたり体を上手くコントロールすることができないこともあります。自分の思いを表現できなかったり、やろうとしても上手くできなくてイライラする状況がイヤイヤ期の「イヤ!」という言葉に繋がっていると考えられています。



イヤイヤ期の子どもへの向き合い方


イヤイヤ期の子どもへの向き合い方

ある程度やりたいようにさせてあげる

子どもが一人でやろうとしていることは、基本的には一人でやらせてあげましょう。危なそうな時に少しサポートをしてあげましょう。最初からできないからと決め付けられたり、出来ずに失敗したことを怒られてしまうと萎縮してしまう恐れがあります。失敗しても怒らずに「もう1回やってみようか」と促してあげましょう。また、出来たことはしっかりと褒めてあげることも大切です。

 

ルールやマナーは「言い続ける」

イヤイヤ期の子どもに「やめようね」といくら言っても、まず言うことを聞きませんが「声掛け」は必要です。毎日イヤイヤしているように見えても子どもは成長しています。公共の場などのルールやマナーを守らないといけない場所では、物理的に行動を制限しつつ、守るべきルールは伝え続けましょう。ただし、1回だけで守れる子どもはいません。何度も何度も根気よく言い続けていきましょう。

 

うれしい行動を褒めてあげる

正しくできたことを褒めてあげましょう。例えばスプーンを上手に使って食べることができた、洗濯物を運んで持って来てくれたなど、できたことを褒めてあげれば、子どもは次もやってみよう・頑張ろうという気持ちになります。それとは反対に、例えば子どもが食事中に食べ物を投げていると「やめなさい」と叱ってしまいますが、場合によっては子どもが「パパ・ママがかまってくれた」と思い、同じ行動を繰り返してしまうことがあります。子どもの好きなメニューを用意して、完食できたら「ポイポイせずに全部食べられてえらいね!」と褒めることで、子どもも「投げるより、投げないほうが自分を見てくれる」と理解して「次は投げないで食べよう」と学んでくれる可能性があります。「正しい行動をたくさん褒めてあげるうちに、してほしくない行動が減っていった」というのは、子育てにおいてよくあるパターンと言えます。

 

何をしたいのか聞いてあげる

イヤイヤ期の子どもは自分の希望通りにしたいという気持ちが強くなります。ですが、子どもはどうやって自分の気持ちを伝えていいのか分からず、もどかしくてイライラしてしまう場合もあります。そのため、パパ・ママは子どもが何をしたいのかじっくりと聞き続けてあげて、希望を引き出してあげましょう。

 

気持ちを代弁してあげる

子どもの希望を聞き続けてあげるのと同時に、子どもの気持ちを代弁してあげましょう。「〇〇がやりたかったの?」「〇〇が嫌なの?」と、上手く気持ちを伝えられない子どもに代わり、気持ちを言葉にしてあげます。その後「そうだね、〇〇だったね」と共感することで、子どもは理解してもらえたと安心します。



イヤイヤ期の乗り越え方


スケジュールに余裕を持たせる

スケジュールに余裕を持たせる

時間に追われていると、子どもに「やりたい!」と言われてもやらせてあげられません。特に忙しい朝は一分一秒無駄にしたくありませんよね。そんなときは、簡単に早く準備できる市販のパンやスープで補ってみたり、少しずつ時間を作ってみましょう。時間の余裕が生まれると、気持ちにも余裕が生まれます。気持ちに余裕が生まれれば、子どもを見守ることができ、イヤイヤ期も乗り越えていけるはずです。


細かいことはなるべく気にしない

細かいことはなるべく気にしない

イヤイヤ期をうまく乗り越えるためには、できるだけ細かいことは気にしないよう心掛けましょう。子どもがケガをしてしまう・他の人に迷惑がかかるなどがなければ、やりたいようにやらせてみましょう。子どももパパ・ママも失敗や間違いをたくさん経験して成長していきます。最初から完璧にできる人はいません。何でも「ダメ」と言っていると、パパ・ママも子どもも疲れてしまいます。「この時期は仕方ない」「これくらいはいい」と思うようにすると、気持ちも楽になるかもしれません。


パパ・ママの趣味や楽しみの時間を作る

パパ・ママの趣味や楽しみの時間を作る

イヤイヤ期はとにかく根気が必要で、パパ・ママもストレスが溜まってしまいます。それを解消するためにも、パパ・ママがリラックスできる時間を作ることが大切です。趣味や楽しみは人によって全く違います。子育て中だからと子どものためにお菓子作りや服作りではなく、自分のためだけの、子どもとは関係ない趣味があっていいのです。アニメを見る、カラオケに行く、ショッピングをする、何でもいいのです。パパ・ママがストレスを溜めないことが、家族みんなで笑って過ごせることにも繋がります。



イヤイヤ期はいつか終わりが来ます


イヤイヤ期はいつか終わりが来ます

イヤイヤ期の期間は何歳から何歳までと、きっちり決まっている訳ではありません。しかし、いつか終わりが来ます。完璧を目指さず「今は仕方ない時期」と割り切って過ごしてみると、少し楽になるかもしれません。

 

子育ては「思い通りにいかない」ことが当たり前です。上手くいかなかったり、時には怒ってしまい落ち込んでしまいますが、色々な経験をしてパパ・ママ・子ども、みんなが育っていくのです。今の悩みをいつか笑って話せる日がきっとやってきます。イヤイヤ期も大切な成長過程、パパ・ママにとっても大切な子どもとの時間なので、小さな我が子の成長を見守ってあげましょう。