大人の感覚で「おやつ」といえば、甘いお菓子やスナック菓子を想像する方が多いかもしれません。大人が食べるおやつは「嗜好品」を意味しますが、子どものおやつは異なる存在で、大事な役割があります。「おやつ=お菓子」ではなく、「おやつ=補食」の役割を担っています。補食とは、栄養を補うもので、【第4の食事】とも言われています。
今回は、そんな「子どものおやつ」についてお話します。
食事で取りきれなかった栄養の補給源
子どもの健康な心と体は、おやつを含めた幼児期の食生活によって作られます。おやつとは、1日3食の食事では取りきれない栄養の補給源です。おやつ=甘いお菓子ではなく、軽い食事と考えるとイメージしやすいかもしれません。幼児期は、成長や活動するためのエネルギーをたくさん必要とします。しかし、消化吸収力が未熟なため、1度にたくさんの量を食べることができず、日によって食べない日もあるため3回の食事では、必要な栄養を摂取することが出来ません。
適量は1日の栄養量の10~20%目安
子どもに必要なおやつの目安量は、1日に必要な総エネルギーの10~20%とされています。子どもの体格や運動量、食事量によって異なりますが、2歳までは150カロリー、3歳以降では200カロリー程度が必要とされています。
食育
おやつは食育にもなります。子どもと一緒におやつを作ると、どのような食材を使って作るのか知ることができます。そして食に興味が湧き、自分で作ってみようとやる気に繋がります。
リフレッシュタイム
おやつの目的はエネルギーの補給だけでなく、心と体のリフレッシュの時間でもあります。たくさん動き回って疲れた体を休め、家族などと会話をしながら落ち着く事でコミュニケーションを取ることができます。忙しい日常の中でもおやつの時間は、親子でゆっくりと顔を合わせて会話を楽しみましょう。
1回に食べる量だけお皿に出す
子どものおやつの量に気を付けましょう。子どもは、目の前にあれば食べてもよいものだと思います。その子に合った量のおやつをお皿に出してあげることが大切です。補食の役割であるおやつを食べすぎて、その後のご飯が食べられなかったら本末転倒です。あくまでおやつは補助的な役割ということを忘れずに、与えすぎないように注意しましょう。食事との間隔は2~3時間あくとよいでしょう。
ダラダラ食べない
ダラダラ食いは、虫歯や食事を摂らなくなる原因になります。とはいえ、ぐずってしまった時に、おやつを与えることはよくありますよね。これが続いてしまうと、習慣化してしまい、ダラダラ食いに繋がってしまいます。なるべくおやつを与える時間を決めて、食生活リズムを整えましょう。
飲み物と一緒に食べる
おやつを食べるときは、飲み物も一緒に出しましょう。子どもはたくさんの水分を飲みます。大人と比べると体温が上がりやすく、汗をかいやすいので、大人よりも水分を多くとらなければならないのです。そのため、おやつと一緒にお茶や牛乳を飲んで水分補給をすることが大切です。甘いジュースは虫歯や肥満の原因になり、ジュースばかり与えてしまうと、それしか飲まなくなってしまいます。甘いジュースは時々にして、お茶や牛乳を与えましょう。
おにぎり
おにぎりもおやつのひとつです。おにぎりは簡単に作れて、お腹にたまるので、補食にぴったりです。ひじきやしらす、鮭やチーズ、細かく刻んだ野菜を混ぜ込んで栄養いっぱいのおにぎりを作りましょう。
さつまいも、バナナ
素材そのものの甘みが十分にある、さつまいも、バナナがおすすめです。さつまいもは、焼き芋や干し芋、薄くスライスしてレンジでチンしてさつまいもチップなど簡単でおいしく作れるのでおすすめです。
牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品
乳製品は成長に欠かせないカルシウムを摂取できます。実は乳製品アレルギーを持たない子どもでもカルシウム摂取は不足がちと言われています。
適正量
1日100~200カロリーを目安にしましょう。
砂糖、脂質、塩分の多いお菓子
虫歯の原因になる砂糖の多いお菓子は控えましょう。脂質の摂り過ぎは、肥満に繋がり生活習慣病の要因となります。塩分を多く摂り過ぎてしまうと、まだ未熟な腎臓に負担がかかり、むくみや高血圧を引き起こす可能性があります。市販のおやつを用いる場合は、幼児向けのおやつだと比較的安心です。
喉に詰まらせるもの
ナッツ類、こんにゃくゼリー、ガム、飴、餅などは誤飲や窒息の恐れがあるので噛む力が十分についてから与えましょう。