SNSは誰でも簡単に写真や動画を公開して、人と繋がり情報を共有できるサービスです。子どものかわいい写真や面白い動画が撮影できた時、SNSに投稿してみんなに見てほしいと思うパパ・ママは多いでしょう。
SNSは、家族や友達と気軽に近況報告ややりとりができる楽しいサービスですが、投稿する写真によっては子どもが危険に晒される可能性もあるので注意が必要です。
今回は、子どもの写真をSNSに投稿する危険性と、投稿する際に注意するポイントなどお話します。
投稿した写真は消せない
一度インターネット上にあげた写真は、スクリーンショットなどで保存される場合もあり、完全に取り消すことは非常に難しいです。インターネット上に書き込まれたコメントや写真が、一度拡散された情報が半永久的にインターネット上に残されることを意味する「デジタルタトゥー」という造語もあります。そのため、子どもの将来への影響をよく考えてから投稿することが大切です。
犯罪に巻き込まれる可能性がある
写真に写っている背景などから住所や通っている学校を特定されたり、お店の場所をタグ付けすることで、今いる場所を特定されたりする危険性があります。写真から得られる情報は思っているほど多くあり、窓や鏡に映った情報も住居の特定に繋がることもあります。場所を特定されると、誘拐やストーカーなどの被害に合う可能性があるので注意が必要です。
画像を不正使用されることがある
子どもの写真が無断で他のサイトに転載されたり、悪用されたりする危険性があります。SNSで多いのは「なりすましアカウント」といって、他人のSNSに掲載されている子どもの画像やプロフィール写真などを勝手に利用して偽物のアカウントを作成されることです。まるで本人かのように誤認させるアカウントは、嫌がらせやストーキング、知名度を悪用したフォロワー稼ぎなどが目的で行われることもあります。
将来的に影響が出る可能性がある
小さな子どもが懸命に頑張る姿や、やらかしたかわいい姿、入浴中の写真やトイレトレーニングなど親にとって大切な思い出です。しかし、子どもが成長した際、幼少期の写真がネット上に残っていることが問題になる場合もあります。思春期を迎えた子どもが、この投稿を見たらどう思うか想像し、少しでも嫌がりそうだと感じたら、それは避けたほうがいい投稿です。
交友関係が悪化する可能性がある
自分の子どもだけでなく、他の子どもが写り込んだ写真を無断で投稿する場合、トラブルに発展する可能性があります。場合によっては、肖像権・プライバシー権の侵害にあたるので、たくさんの人が写っている写真や公園で撮影した写真など、注意が必要です。
子どもの名前の写り込み、書き込み
SNSに写真を投稿する前に、子どもの名前が写り込んでいないか確認をしましょう。見えないような小さな文字でも、写真を拡大すると見えてしまうことがあります。また、投稿時に子どもの名前は書かないことも大切です。珍しい名前の場合は、特に特定されやすく危険です。本名はもちろん、名前にちなんだニックネームなども個人の特定に繋がる場合があるので書かないようにしましょう。
住所の特定
子どもが写っている写真の中に住所が特定されるものが写り込んでいないか確認しましょう。自宅や学校の情報が写っている写真は、自宅や学校のまちぶせ、ストーカー、誘拐などの危険性があります。自宅の外観が分かるような写真や向かいの家の写真から自宅が特定されたり、幼稚園・保育園の通園バスなどの情報から通っている園や学校が特定されたりすることもあります。自宅から1~2キロ圏内の写真は投稿しないのが良いでしょう。
他の人の写り込み
大勢の子どもが遊ぶ公園やキッズルームなどで撮影した写真に他の人が写っていないか確認しましょう。仮に小さく写っていても、名前と同様、写真を拡大すると顔を認識できることがあります。無許可で投稿するとプライバシー侵害にあたり、トラブルに繋がる可能性があるので必ず許可を取ったり、スタンプやモザイクなどで写真を加工して、個人が特定できないようにしましょう。
SNS公開範囲を検討する
プライベートな情報を公開したい場合は、SNSの公開範囲を家族や友人・知人に限定している「限定公開アカウント」に投稿することをおすすめします。「限定公開アカウント」は会ったことがある人や社会的に繋がりがある人、人柄がよくわかっている人のみとやりとりをして、制限のない「オープンアカウント」では、「1歳児のママ」などざっくりした情報のみで細かい情報は載せないようにして、SNSアカウントを分けて利用する対策も有効です。ただし、鍵をかけたアカウントでも、趣味が同じというだけでフォローを許可していると当然リスクがあります。また、鍵をかけているアカウントでも、知らない人が見て不快に思う可能性がある投稿はしないようにしましょう。
SNSに子どもの写真を投稿することは、全く悪いことではありません。SNSの繋がりによって同じ悩みを持った人と繋がり育児の悩みや共感をシェアすることで大きな力になったり、SNSの良い面はたくさんあります。
ネットには多様な人がいます。簡単に見ることが出来るSNSは、子どもの写真を悪用する目的で見ている人がいるかもしれません。子どもの写真を投稿する際は、SNSのアカウントを知り合いのみに限定公開したり、写真を加工したり、個人的なメッセージアプリや写真アプリを使って共有することをおすすめします。
今回ご紹介したポイントを守りつつ、SNSで子ども写真を楽しみましょう。