「子どもが2歳になるけど言える言葉が少ない」「まだ言葉を話さない」など、子どもの「言葉」の悩みは成長の中で特に気になるところですよね。言葉の発達がゆっくりなのかな?と思う子もいれば、2歳半になって突然話すようになった、男の子は話し出すのが遅め、など個人差や男女差についてもよく話題になります。
言葉の発達は個人差が大きく、子どもの性格や育った環境にも影響を受けます。幼児期は言葉の発達にとって非常に重要な時期であり、子どもが豊かな言語能力を身につけるためには、周囲のサポートが欠かせません。
今回は幼児期(1~6歳)の子どもに焦点を当てて、言葉の発達についてお話します。
1~2歳
発音: 初めて単語が出始める時期です。「ママ」「パパ」などの単語を発することが増えます。
語彙: 1歳を過ぎると、子どもは簡単な単語を覚え、語彙が少しずつ増えます。最初は「犬」「猫」「ボール」など、身近な物の名前を覚えることが多いです。
二語文: 1歳半を過ぎると、簡単な二語文(「ママ、来て」「パパ、行く」)を使い始めます。この時期は、言葉を使って要求や感情を伝えようとするようになります。
2~3歳
語彙の急増: 2歳を過ぎると、語彙が急速に増え、子どもの言葉の数が爆発的に増加します。身の回りの物や人の名前を覚え、言葉を使って物事を表現することが増えてきます。
文法の基礎: 簡単な文法が身につき始めます。例えば、「お菓子食べる」「これ、好き」など、2語文を使うようになります。また、疑問文(「これは何?」)や命令文(「これ取って」)も使えるようになります。
意味の理解: 言葉の意味を理解し始めると、物事を言葉で分類したり、目的や理由を尋ねたりするようになります。
3~4歳
複雑な文の使用: 3歳を過ぎると、より複雑な文を使うようになります。たとえば、「おもちゃを取って、これで遊びたい」「公園に行って、友達と遊ぶ」など、複数の言葉を組み合わせて長い文を話すようになります。
会話の成立: 自分の考えや気持ちを表現する力が強くなり、他者との会話が成立します。子どもは自分の意見を伝え、他人の言葉に反応しながらやり取りを楽しむようになります。
発音の改善: 言葉の発音も少しずつクリアになり、理解しやすくなります。ただし、完全に正しい発音には時間がかかることがあります。
4~5歳
文法の完成: 4歳を過ぎると、基本的な文法がほぼ完成します。過去形や未来形、助詞(「は」「が」など)の使い方が自然にできるようになり、言葉の使い方に幅が広がります。
社会的な会話: 自分の意見を言うだけでなく、相手の気持ちを考えた会話ができるようになります。他の子どもとの関わりで、より複雑な社会的なルールを学んでいきます。
物語の理解と表現: 物語を聞いたり、簡単な物語を話すことができるようになります。話の中で登場人物や出来事を理解し、順番に話す能力が高まります。
5~6歳
抽象的な思考と表現: 5歳以降は、抽象的な概念や未来の出来事について話すことができるようになります。たとえば、「夢」「想像」「未来」などについて理解し、表現することが可能になります。
語彙と表現力の広がり: 語彙が豊かになり、感情や考えを表現するための言葉も増えます。また、比喩的な表現やジョークなども理解し始めることがあります。
社会的ルールの学習: 会話の中で、適切な言葉を使ったり、相手の感情に配慮したりする能力が発達します。
積極的に子どもに話しかける
子どもは周囲の人が話しているのを聞いて、徐々に言葉を覚えていきます。普段から積極的に子どもに話しかけ、たくさんの言葉を聞かせるようにしましょう。散歩に行ったときに「お花、きれいだね」と言ったり、車が通るのを見たら「ブーブ(車)が来たね」と言ってみたり、ものごとと言葉が頭の中でつながるよう、積極的に話しかけるとよいでしょう。
子どもの動作に言葉を添える
子どもが座るときに「座ろうね」、手を洗うときに「手を洗うよ」など、子どもの動作を実況するように言葉を添えてみるのもおすすめです。子ども自身もその行動をとるときに「座る」などと、言葉にすることができるようになっていきます。
絵本を読み聞かせる
絵本の読み聞かせはたくさんの言葉を覚えるのにとても役立ちます。まだ文字が読めなくても、絵を見ながら話を聞く中で、ものの名前や気持ちの表現などが身についていきます。
口を使った遊びで口や舌の運動量を増やす
口を使った遊びで口や舌の運動量を増やすことは、言葉の発達には有効です。口を使った遊びで筋肉が発達し、より明瞭な発音が可能になるでしょう。シャボン玉、口じゃんけん、ストロー鉄砲、ラッパなどの口で吹くおもちゃ、ティッシュ飛ばしなど。興味のある遊びで楽しみながら発音に必要な口や舌の運動量を増やしてみましょう。
やさしいトーンでゆっくり話しかける
子どもが集中しやすいのは、やさしくゆっくり話しかけられたときといわれています。心地よい安心感が得られ、リラックスした状態で聞く言葉は子どもの耳に入っていきやすいのでしょう。早口で話すと子どもも緊張感が高まり、話す内容に集中しづらくなります。子どもが理解できるよう、やさしいトーンでゆっくり話しかけることを心がけましょう。
心配な時は…専門家に相談する
言葉の発達に遅れが見られる場合、言語聴覚士や小児科医、発達心理学者などの専門家に相談することを視野に入れてみましょう。早めのサポートを受けることで、言葉の発達を促すことができます。
子どもの言葉の発達について心配に感じることは、パパ・ママにとってとても自然なことです。子どもが他の子どもと比べて言葉の発達が遅れているように感じるとき、その原因や対応方法について気になるかもしれません。
子どもの言葉の発達には個人差がありますが、心配な場合は早めに専門家に相談することが大切です。家庭でできるサポートを通じて、子どもの言葉の発達を促すことができます。子どもが自分のペースで言葉を覚えていけるよう、温かく見守りながら適切な支援を行っていきましょう。