子どもとの関わり方


意外と分からない 子どもの叱り方


意外と分からない 子どもの叱り方

子育ての中で、子どもの叱り方ってどうすればいいの?と疑問に思うことがありますよね。「何度言っても同じことをする」「イライラしてつい感情的になってしまった」「強く叱ってしまった」など、間違ったことをしてしまった子どもとの向き合い方に悩んでしまうパパ・ママも多いのではないでしょうか。でも当たり前の悩みでもあります。「誰かを叱る」ことは、もしかしたら子どもを持って初めて経験することかもしれません。

 

子どもにパパ・ママの気持ちが伝わらないのは、叱り方に原因があるのかもしれません。

今回は、そんな「子どもの叱り方」についてお話します。



叱るとは?


叱るとは?

「叱る」とは、相手のことを思い、間違いを正すために指導すること。「怒る」とは、感情をあらわにし苛立ちをぶつけることです。そこには相手に対する思いやりはありません。相手の気持ちを考えていない、自分本位な行動なのです。つまり、「叱る」とは心が通い合うこと、「怒る」とは一方通行と言えます。「何度言っても同じことをする」という原因は、叱っているのではなく怒っているからかもしれません。

 

子どもを叱る時は、叱っているのか・怒っているのか、冷静に判断してみましょう。これだけでも、子どもへの伝わり方が変わる可能性はあります。



正しい叱り方


命の安全を守る

命の安全を守る

命を守るために、正しく叱ることが大切です。例えば、周囲を確認しないで道路に飛び出してしまうことは命に関わります。他にも、家の中で火遊びをしたらヤケドだけでは済まず、大火事になって命を落とすかもしれません。近年では、叱らない育児法が話題になっていますが、命の危険に関わることを叱らなければ子どもを守ることはできません。子どもの命を守るために、正しく叱り、危機管理能力を高めましょう。


他人を傷つける行為を防ぐ

他人を傷つける行為を防ぐ

人を傷つける行為は「絶対にしてはいけないこと」としてきちんと叱る必要があります。危害を加える行為については「お友達から嫌われてしまうから」という生易しい理由ではありません。誰であろうと、暴力やそれに関する行為で他人を傷つけてはいけないのです。当然、身体的なものだけではなく、心を傷つける暴言も許されません。誰でも大切に思ってくれる人がいます。傷つけることは、相手だけではなくその人の周囲まで悲しませる行為です。暴力や暴言から得られるメリットは何一つないことを伝えましょう。


社会のルールが分かる

社会のルールが分かる

パパとママから叱られることで、子どもは社会のルールを学んでいきます。逆を言えば、子どもが間違ったことをしたときに誰かが叱らなければ、悪いことだと認識せずに育ってしまいます。例えば、お店でふざけて走り回る子どもを叱らず、そのまま放っておいたらどうなるでしょうか。他の買い物客の中には小さい子どもや高齢者、妊婦さんもいます。もし子どもが勢いよく衝突したら、場合によっては取り返しがつかないことになります。お店で走り回ることは、ただ単に迷惑という一言だけでは済まされないのです。しかし、子どもは身近にいるパパ・ママから教えてもらわなければ、「いけないこと」の区別がつきません。極端に言えば誰からも叱らなければ、これから社会のルールを無視して自分勝手に行動し、周囲に迷惑をかけてしまいます。子ども本人は、まさか自分が問題行動を起こしているとは思わないでしょう。叱ることは、子どもの将来を守ることにも繋がります。知らないだけでは済まされないことを、パパ・ママが教えてあげなければならないのです。



上手な叱り方


叱る理由を説明する

叱る理由を説明する

どうして叱られたのか分かるように、理由を説明してあげましょう。子どもは叱られた理由が分からないことが多いです。叱られたことに驚いてしまい、理由を考える思考までたどり着きません。頭の中が真っ白になってしまい泣いてしまったり、反抗的になり聞く耳を持たないこともあります。忙しい中、説明するのは面倒というパパ・ママもいるかもしれませんが、子どもにはきちんと理由を説明してきちんと納得してくれたほうが、改善される見込みがあります。逆に言えば、理由が分からなければ何を直したらいいのか分からないままなのです。


子どもの目を見る

子どもの目を見る

叱る時は、子どもの目を見ましょう。子どもと向き合わなければ。パパ・ママの伝えたいことを理解させるのは難しいからです。例えば、家事をしながら、スマホをいじりながら叱っても子どもには伝わりません。その場では返事をしますが、叱られた原因や理由を理解していないので、同じ間違いを何度もします。叱る時は目を見て、向き合いましょう。


子どもの気持ちを肯定してから叱る

子どもの気持ちを肯定してから叱る

一度、子どもの気持ちを肯定してから叱ると伝わりやすいです。パパ・ママが叱るのに理由があるように、子どもにも理由があるのです。理由を聞かずにいきなり否定してしまうと、子どもは自信をなくして、消極的な考えになってしまうかもしれません。叱るときは、どうしてそんなことをしたのか理由を聞いて「~したかったんだね」と認めてあげましょう。「でもね…~すると○○が起きるから止めようね」と伝えると理解されやすいです。子どもの自尊心を傷つけずに済みます。叱ることは子どもとのコミュニケーションをとることと同じです。


改善したら褒める

改善したら褒める

子どもが間違いを改善したら褒めてあげましょう。叱られることが好きな人はいません。子どもはパパ・ママから叱られると。理由はどうあれ悲しい気持ちになります。失敗してしまったことで、自信喪失する子どももいます。叱りっぱなしをやめて、改善したら褒めることを徹底しましょう。小さい子どもなら、抱きしめてあげると喜びます。子どもはパパ・ママから認められると、愛情を実感することで自己肯定感が高まります。「叱る」と「褒める」はセットです。



やってはいけない叱り方


人格を否定する

人格を否定する

子どもの人格を否定する叱り方は心を傷つけます。心の傷はずっと残ります。大人になっても残っている人はたくさんいます。人格を否定して傷つけることは、叱っているのではなく、自分のフラストレーションを発散させているだけです。パパ・ママから否定された子どもは、自分の存在価値が分からなくなります。自信喪失、やる気も失い、ネガティブ思考になるとマイナスなことばかりが起こります。子どもの可能性を潰す行為はやめましょう。


感情的になって怒鳴る

感情的になって怒鳴る

子どもの態度にイラっとしてしまい、感情的に怒鳴ってしまったという経験がある人は多いのではないでしょうか。当然、これもやってはいけない間違った叱り方です。子育てをしているとイライラはつきものです。心に余裕がなくなって爆発!というのはよくあることです。しかし、感情的に怒ってしまうと、子どもは「してはいけないこと」の理由が分からないまま、萎縮してしまいます。怒鳴るということは、恐怖心を与えることによって子どもから考える時間を奪い、大人の考えを押し付けていることと同じことなのです。これでは根本的な解決にはなりません。子どもに大切なことを伝えたいなら感情でぶつからずに、いったん大きく深呼吸をしましょう。気持ちを落ち着かせてから、正しく叱ることが大切です。


手をあげる

手をあげる

子どもを叱るうえで、たたくことは許されません。手をあげることは暴力です。しつけの一環だと主張する人がいますが、暴力は暴力でしかありません。そこから得られる効果は何一つないのです。子どもに恐怖感を与え、支配することは叱るとは言えませんよ。暴力で支配された子どもは、パパ・ママ以外に危害を加える危険性が高まることも問題です。



叱るときの心構え


叱るときの心構え

子どもは失敗を繰り返して成長していく

失敗は成功の元だというように、失敗を繰り返して成長していきます。大人も何か失敗したときは、失敗の原因を考え、次からどうすればいいのか解決策を模索しますよね。子どもも同じです。失敗することは成長するチャンスなのです。ただし、子どもは大人よりも器用ではありません。何度でも同じような失敗をしてしまいます。叱られても一度で理解し、改善するのは難しいことなのです。「どうしてできないの?」「何回言ったら分かるの?」と、もやもやすることがあるはず。しかし、できないことができるようになったとき、子どもは大きく成長します。

 

「できないこと」よりも「できたこと」を見る

子どもは「できないこと」が多いですよね。失敗が多いと、ダメな部分ばかり目についてしまいがちですがそうすると、わざとではない失敗や、子どもが反省しているときにもたたみかけるように叱ってしまいます。子どもの可能性は無限大です。大人の思い通りにならないことも多いでしょう。命の危険に関すること、社会のルールに反することなど、本当に大切なこと以外は叱らずに“できること”を褒めると子どもは伸びていきますよ。



子どもと向き合って叱る


子どもと向き合って叱る

子どもを叱ることは難しいですよね。パパ・ママも人間なので、間違った叱り方をしてしまうことがあります。しかし、叱り方に悩む今が自分を変えるチャンスです。

 

子どもは失敗することも多くありますが、正面から真剣に向き合ってくれるパパ・ママの愛情を受けて失敗を成長に変えていきます。