5月5日は「こどもの日」と「端午の節句」です。「こどもの日」は毎年祝う日本の行事で、子どもたちの成長を祝う日です。「端午の節句」は元々中国から伝わった「端午節」が起源です。この日には、邪気を払うために菖蒲(しょうぶ)やヨモギを使ったり、鯉のぼりを飾ったりします。また、武士の家庭では、武具を飾ったり、子供たちに鎧を着せたりすることもありました。
端午の節句はもともと男の子の健康と成長を祝う日でしたが、昭和に入ってから、こどもの日として男女を問わず全ての子どもたちの成長を祝う日として定められました。
もうすぐ5月5日。今回は5月5日のお祝い事についてお話します。
中国から伝わった風習
端午の節句は、中国の「端午節」が起源です。端午節は、古代中国の屈原(くつげん)という詩人を偲ぶための行事として始まりました。屈原は、紀元前278年に自ら命を絶った後、地元の人々が彼の霊を慰めるために川に餅(ちまき)を投げ入れたり、魚を守るために竿を立てたりしたことが端午節の起源とされています。この風習が日本に伝わり、端午の節句として定着しました。
日本での端午の節句の発展
日本では、平安時代(794年~1185年)に中国から伝わり、次第に日本独自の風習が加わりました。当初は邪気を払うための行事として行われ、特に男の子の健康や厄除けを祈願する意味が強くなりました。
菖蒲(しょうぶ)とヨモギ
端午の節句には、邪気を払うために菖蒲(しょうぶ)やヨモギが使われます。これらの植物は、昔から薬草や魔除けの力を持つと信じられていたため、家に飾ったり、風呂に入れたりして、身を清める役割を果たしました。
武士の精神と成長を祝う
日本で端午の節句は、特に武士の家庭で子どもたちの健康と成長を祝う日として重要視されるようになりました。兜(かぶと)や鎧(よろい)、そして鯉のぼりなどが飾られるようになり、子供たちが強く、勇敢に成長することを願う意味を込めていました。
・鯉のぼり:鯉が滝を登り龍になるという伝説から、困難に立ち向かって成長する姿を象徴しています。
・兜や鎧:武士の象徴で、男の子が強く立派に成長することを願う意味が込められています。
現代の端午の節句
戦後、こどもの日(5月5日)は男の子のための行事として定められ、端午の節句は男女を問わず全ての子どもたちの成長を祝う日として広く認識されています。今では、端午の節句を祝うために、鯉のぼりを立てたり、菖蒲湯に入ったり、ちまきを食べたりする家庭が多いです。
こどもの日の成立
こどもの日が5月5日に制定された背景には、1948年に日本政府がこどもの日を男の子のための「端午の節句」から、全ての子どもたちを祝う日として制定したことがあります。それにより、これまでは男の子の成長を祝う日だった端午の節句が、男女に関わらず全ての子どもの成長と幸福を祈る日となりました。
現代のこどもの日
こどもの日には、鯉のぼりや五月人形を飾り、ちまきや柏餅を食べることが一般的です。家族で一緒に過ごし子どもたちの成長を祝うとともに、未来への希望を込めてお祝いします。
こどもの日はもともと男の子の健康と成長を祝う端午の節句から発展した行事で、戦後には男女問わずすべての子どもたちを祝う日として定められました。
端午の節句は、日本の伝統行事で、主に男の子の健康と成長を祝う日として知られています。この日は、家庭でさまざまなお祝いの方法が行われます。以下は、端午の節句のお祝い方法として一般的なものです。
鯉のぼりを飾る
端午の節句の象徴的なアイテムである鯉のぼりを飾ります。鯉のぼりは、鯉が滝を登って龍になるという伝説に由来し、力強く成長することを願う意味があります。鯉のぼりは屋外に掲げるのが一般的ですが、室内用の小さな鯉のぼりもあります。
五月人形(武者人形)を飾る
五月人形や武者人形は、男の子が勇敢に成長することを願って飾ります。人形は、戦国時代の武将や鎧姿の武士の姿を模したものが多いです。家庭によっては、**兜(かぶと)や鎧(よろい)**を飾ることもあります。
柏餅を食べる
端午の節句では、柏餅を食べる習慣があります。柏の葉は、新芽が出るまで古い葉が落ちないことから、家系が途切れずに続くことを象徴しています。柏餅は、甘い餡を包んだもち米で作られており、葉で包んで食べます。
ちまきを食べる
ちまきは、端午の節句に食べられる伝統的な料理で、餅米を竹の葉で包んで蒸したものです。中国から伝わった風習で、邪気を払うための食べ物として食べられます。日本では、特に端午の節句に食べられることが多いです。
菖蒲湯に入る
端午の節句には、菖蒲湯に入る風習もあります。菖蒲(しょうぶ)やヨモギの葉をお風呂に入れて、身を清めたり、厄除けを願ったりします。菖蒲には「邪気を払う」「元気をつける」といった意味が込められています。
お祝いの言葉をかける
子どもの健やかな成長を願って、家族や親戚が集まった際に、お祝いの言葉をかけます。例えば、「健康で元気に育ちますように」「これからの人生が幸せでありますように」など、温かい言葉で子どもたちを祝います。
家族で過ごす
多くの家庭では、端午の節句に家族が集まって、特別な料理を囲んでお祝いをします。家族全員で一緒に過ごし、子どもたちの成長を祝う温かい時間を大切にします。
端午の節句
端午の節句では、主に男の子の成長を祝うために、鯉のぼりや五月人形(武者人形)、兜などを飾ります。また、ちまきや柏餅を食べる習慣もあります。男の子の健やかな成長を祈る意味で、強さや勇気を象徴するアイテムが多く使われます。
男の子の成長、健康、強さを願う日としてスタートしました。特に勇気や強さを象徴するアイテム(鯉のぼり、鎧、兜など)を飾り、男の子の将来の立派な成長を願う意味合いが強かったです。
こどもの日
こどもの日には、男女問わず子どもたち全員の成長を祝うために、端午の節句のアイテム(鯉のぼりや五月人形)を飾ることが一般的ですが、今では女の子にもお祝いをします。特に女の子には、お雛様やお祝いの言葉をかけることもあります。
全ての子ども(男女問わず)の成長と幸福を願う日として、性別に関わらずすべての子どもたちを祝う意味があります。こどもの日は、家族全員で子どもたちを祝う日として、より広い意味を持つようになりました。
「端午の節句」と「こどもの日」は行事の内容に違いがありますが、どちらも子どもたちのこれからの幸せを願う気持ちがあると思います。
5月5日は、日本中で子どもたちの幸せな笑顔を見ることができるといいですね。